海水魚の飼育にチャレンジしてみたいけど、「最初に何が必要なのか分からない」という方も多いと思います。
自身のアクアリウムの経験から、海水魚の飼育に必要なものをピックアップしてみたので、「海水魚を飼育してみたい!」「必要な道具が知りたい!」という方は参考にしてみてくださいね。
Contents
海水魚の飼育に必要なものは?
海水魚を飼育するために必要なものは、細かいものも紹介するとややこしくなるので、必要最低限のものをリストアップしてみました。
飼育する魚の種類やサンゴも一緒に飼育するかどうかによっても必要なものが若干違ってきますが、概ね以下のよなものを揃えれば、魚もサンゴも飼育できます。
- 水槽
- 水槽台
- ろ過装置
- クーラー
- ヒーター
- 水温計
- 砂
- ライブロック
- 海水
- カルキ抜き
- 比重計
- 照明器具
- 水質測定キット
- エサ
- 殺菌灯
- 水流ポンプ
- RO浄水器
水槽
まず最初に思い浮かぶのは水槽だと思いますが、水槽にはガラス水槽とアクリル水槽の2種類があります。
ガラス水槽はキズが付きにくいので、長年使っても透明度が高いという特徴がありますが、重たいので45cm幅の小型水槽から90cm幅のの水槽までで使用されています。
アクリル水槽はキズが付きやすいので、使っているうちに細かいキズで水槽の透明度が低くなってきますが、重量が軽いので90cm以上の大型水槽でよく使用されています。
水槽サイズは幅が45cm、60cm、90cmなど様々な種類がありますが、小さい水槽の方が水質管理が難しいので、60cm幅以上の水槽サイズがおすすめです。
水槽サイズについては『【海水魚の飼育】初心者におすすめの水槽サイズは?』で詳しく解説しています。
※後で説明するオーバーフロー水槽の場合、水槽の底に穴が開けられたオーバーフロー専用の水槽が必要になります。
水槽台
45cmくらいの小さい水槽の場合、専用の水槽台が必ず必要というわけではありませんが、60cm以上の大きな水槽になってくると、やはり専用の水槽台があると安心です。
ろ過装置などを水槽台に収納できるので、水槽まわりがスッキリして見た目もオシャレになります。
※後で説明するオーバーフロー水槽の場合、水槽台の天板に配管用の穴が開けられたオーバーフロー専用の水槽台が必要になります。
ろ過装置
ろ過装置はアクアリウムの心臓部とも言える部分です。ろ過装置は様々なタイプがあり、概ね以下のようなタイプに分類されます。
- 上部ろ過フィルター
- 外部フィルター
- 外掛けフィルター
- オーバーフロー
それぞれに一長一短の特徴があり、どのタイプでも海水魚の飼育は可能ですが、ろ過能力によっては2種類のフィルターを併用するといった対策が必要。
予算が許すのであれば、オーバーフローシステムが一番安定しているのでおすすめです。
ちなみに「底面フィルター」というのもありますが、メンテンナスが面倒で現実的ではないのでここでは除外しています。
上部ろ過フィルター
上部ろ過装置は扱いやすくて値段もお手頃、更にメンテナンスしやすいという特徴があるので、初心者におすすめ。ウールマットと濾材を入れて使用します。
外部フィルター
外部フィルターはろ材がたくさん入るので、ろ過能力が高いフィルターと言えます。
水槽台に収納することができるので、水槽まわりをスッキリさせることができますが、エアレーションを別で用意する必要があります。
海水の場合エアレーションをすると、海水が水槽上部に飛び散ってしまうため、水が乾いて塩だけが残ってしまう「塩だれ」という現象が起こります。
放置すると水槽まわりが塩でガビガビになるので、マメに清掃する必要があります。
外掛けフィルター
外掛け式のフィルターは、小型で扱いやく値段も安いので導入しやすいフィルターです。
実際に海水魚を飼育するなら、外掛けフィルターを2台設置するか、外部フィルターと併用するなどの対策が必要になることも。
海水魚向けには、プロテインスキマーが付いている外掛けフィルターが販売されています。
オーバーフロー
一番値段の高いろ過システムになりますが、海水魚を飼育するなら最強と言えるろ過システムです。
水槽台に濾過槽を設置するため、ろ材を大量に投入することが可能になります。
ろ過槽に大型のプロテインスキマーを設置すれば、ろ材が不要になるのでランニングコストが安くなるというメリットがありますが、他のろ過システムと比べて音がうるさいというデメリットもあります。
オーバーフローシステムについては『オーバーフロー水槽のメリットとデメリット』で詳しく解説しています。
オーバフロー水槽の場合、濾過槽と水槽の海水を循環させるためのポンプと、水槽内の汚れを除去するプロテインスキマーという器具を同時に購入する必要があります。
クーラー
魚は水温の変化に弱い生き物なので、夏場は水槽内を冷やしてあげる必要があります。
少し高価な買い物になりますが、クーラーは必須といえるアイテムです。
小さいクーラーを使うと、ずっとクーラーが作動しっぱなしになるため、対応する冷却水量よりも大きめのクーラーのがおすすめ。
大きいクーラーで冷やした方が、早く設定温度に達して運転が停止されるため、小さいクーラーがずっと作動しているよりも作動音が気になりません。
水面に風を当てたときに発生する気化熱を利用するファンを使って水温を下げることも可能。ただし水温を一定に保ちにくいだけでなく、水だけが減って塩分濃度が上がりやすくなります。マメに真水を追加する必要があるので、水槽の管理が面倒になります。
ヒーター
冬の必須アイテムはヒーターです。これもゆとりのあるパワーサイズを選ぶのがおすすめ。
温度を一定に保つサーモスタットが一体になっているものと、ヒーターとサーモスタットが別になっているものがあります。
サーモスタットが壊れればヒーターでどんどん水温が上昇し続けて、最悪は海水が沸騰してしまいますし、その反対にヒーターが壊れれば全く海水を温められなくなります。
ヒーターとサーモスタットは1年から2年に1回は交換する消耗品として考えましょう。
水温計
水温計で日々の海水温度を管理するための必需品。
特に春の後半や秋の後半など、夏や冬になる直前の温度を知ることで、クーラーやヒーターを作動させるタイミングを知ることができます。
砂
海水ろ過してくれるバクテリアの住処になります。水槽の底に砂を敷いておくことで、ろ過能力が高くなるのでおすすめです。
ライブロック
海水水槽を新しく立ち上げる際には是非入れておきたいのライブロック。
サンゴの死骸などからできた岩のことで、海水をキレイにしてくれるバクテリアが住み着いています。
ライブロックは白い部分と赤い部分があり、白い部分はバクテリアが住み着いていない場所。反対に赤い部分はバクテリアが住み着いている場所になります。
できるだけ赤い部分が多いライブロックを選ぶようにするのがおすすめです。
海水
海水は天然の海水と人工海水がありますが、天然の海水は病原を水槽内に持ち込んでしまう可能性があるため、よほどこだわりがなければ人工海水を購入するのがベター。
人工海水には様々なものがありますが、水に溶けやすくて入手しやすい人工海水を選ぶとよいかと思います。
カルキ抜き
海水を作るときには塩素のない真水を使う必要があるので、水道水から塩素を取り除くカルキ抜きが必要です。
比重計
比重計は海水の塩分濃度を測定するために使用します。定期的な水換えでも必要になるので、必ず用意しておきましょう。
照明器具
照明器具は魚の健康を保つためだけでなく、水槽の見栄えにも影響します。
サンゴを飼育する場合は、光の弱い蛍光灯では上手く飼育できない種類も多いので、できれば強い光を発生させるLEDの照明器具を用意しておきましょう。
早朝や夕方、夜の月明かりなどの自然界を忠実に再現する照明器具もありますが、そこまでしなくても、魚もサンゴも十分飼育は可能なので、特別高価な照明器具は必要ないかと。
水質測定キット
海水の場合、ろ過マットだけでは水質を維持できないので、主にバクテリアの働きで水質をキレイに保つことになります。
魚のフンや餌の食べ残しがタンパク質となり、アンモニア→亜硝酸→硝酸塩へと汚れの物質が変化していきます。
アンモニア、亜硝酸、硝酸塩の量を測定することで、新しい魚を入れるタイミングや水換えのタイミングが分かります。
特に新しい水槽を立ち上げたばかりのときや、新しい魚を入れた後など、水槽内の環境が変わったときには、水質測定キットで測定しておきましょう。
エサ
エサは主に人工餌、生餌、冷凍餌、クリルといった種類があり、魚の種類や用途によって使い分ける必要があります。
人工餌に慣れていない採取されたばかりの魚は、人工餌を食べずに体力がなくなってしまうことがあるので、冷凍や生の餌から少しづつ人工餌に慣れさせる必要があります。
新しい魚をお迎えするときには、人工餌だけでなく冷凍餌も用意しておくと安心です。
殺菌灯
海水魚は白点病などの様々な病気がありますが、どの病気も水槽内の海水に浮遊する病原菌によって発病します。
殺菌灯は、海水にUV(紫外線)を照射することで殺菌してくれる器具で、ナンヨウハギなど、白点病などの病気にかかりやすい魚を飼育する際には、是非導入しておきたい器具です。
コケの予防にもなるというメリットもあります。
水流ポンプ
魚には特に必要ありませんが、一緒にサンゴを飼育する場合、水流ポンプは是非用意しておきたい器具です。
サンゴは主に光と海中に含まれる栄養を取り込んで成長するのですが、水槽内の水が止まった状態では、サンゴの栄養分が水槽全体に行き渡らず調子を崩してしまいます。
サンゴを飼育するなら、水流ポンプは必ず用意しておくことをおすすめします。
RO浄水器
水道水にはコケの原因となる不純物が多く含まれているので、水道水で海水をつくると水槽にコケが大量に発生することも。
RO浄水器はコケの原因となる物質をはじめ、様々な不純物を取り除いてくれるだけでなく、塩素も取り除いてくれるので、カルキ抜きが不要になります。
やや高価な買い物になりますが、キレイな水質保つためには是非用意しておきたい飼育器具です。
RO浄水器の他、加圧ポンプとTDSモニターをセットで購入するのがおすすめです。
おわりに
ここまで紹介してきた海水魚の飼育で必要なものを、一覧してまとめると以下のようになりますが、必ず揃えておきたいものと、あった方がいいものに分類してみました。
必ず用意するもの | 水槽 |
水槽台 | |
ろ過装置 | |
クーラーまたは冷却ファン | |
ヒーター | |
水温計 | |
砂 | |
ライブロック | |
海水 | |
カルキ抜き(※RO浄水器がある場合は不要) | |
比重計 | |
照明器具 | |
水質測定キット | |
エサ | |
あった方がいいもの | 殺菌灯 |
水流ポンプ | |
RO浄水器 |
飼育セットという選択も
一通り海水魚飼育に必要なものを紹介しましたが、飼育用器具をひとつひとつ選んでいくのが面倒くさいという方は、海水魚が得意なアクアリウムショップで相談してから購入するのがおすすめ。
また、初心者向けの飼育セットを選ぶという手もありますが、ペットショップで販売されている飼育セットは、ほとんどが淡水魚用になっているので、海水魚向きではありません。
海水魚を飼育するなら、やはり海水アクアリウムを得意としたメーカーから販売されている飼育セットを選ぶのがおすすめです。
オールインワンタイプの水槽なら「Red Sea(レッドシー)」というメーカーから販売されているので参考にしてみてください。
おわりに
初めて海水魚を飼育するときは、必要なものを揃えるだけでもなかなか大変な出費になってしまいますが、全てを揃えてしまえば、後はそれほどお金のかかりません。
サンゴをメインで飼育する場合は、日々の水質管理が更にシビアになるので、一式を揃えた後でも必要なものがいろいろ発生しますが、魚に関してはそれほど難しい水質管理も必要ないので定期的な水換えだけオッケー。
しっかりした飼育器具を揃えれば、海水魚は意外と簡単に飼育できたりするので、是非チャレンジしてみてくださいね。
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